ローカルで開発環境を作るとき、「何度もOSをインストールして設定して…」なんて面倒なことはありませんか?
そんなときに活躍するのが、**Vagrant(ベイグラント)**という便利なツールです。
この記事では、Vagrantのインストールから仮想マシンの起動までの基本的な使い方をわかりやすく解説します。
Vagrantとは何か?
Vagrantは、開発用の仮想マシン環境を簡単に構築・管理できるツールです。
1つのコマンドでUbuntuなどのOSをインストールし、自動でログインまで行ってくれるため、手間なく開発環境を立ち上げることができます。
🔗 Vagrantの特徴
- VirtualBox や VMware などの仮想化ソフトと連携
- 開発チームで同じ環境を再現できる
Vagrantfileに環境定義を記述して、環境構築をコード化できる
🛠️ 主な用途
- Webアプリの開発環境
- テスト用の仮想サーバー
- チームでの統一環境構築(DevOps)
Vagrantでできること
Vagrantでは、たった数行のコマンドを打つだけで、以下のような操作ができます。
| 機能 | 説明 |
|---|---|
| ✅ 仮想マシンの作成 | vagrant up で自動構築 |
| ✅ 仮想マシンにログイン | vagrant ssh で即アクセス |
| ✅ 環境の削除・再作成 | vagrant destroy → vagrant up で再現 |
| ✅ コード化(Vagrantfile) | どこでも同じ環境を再構築できる |
まるでDockerのように使えるけど、OSまるごと動く環境がほしいときにはぴったりです。
Vagrantを使う前に必要なもの
Vagrantを使うには、以下の3つを先にインストールしておく必要があります。
VirtualBox(仮想化ソフト)
- VirtualBoxは、仮想マシンを動かす本体です
- ダウンロード:https://www.virtualbox.org/
Vagrant
- Vagrant本体(CLIツール)
- ダウンロード:https://www.vagrantup.com/downloads
インストール後、以下のコマンドでバージョンが表示されればOK。
vagrant -vBashターミナル or コマンドプロンプト
macOS / Linux:ターミナル
Windows:PowerShell または WSL
インストール手順
Vagrantを使うにはまず以下の2つをインストールするだけでOKです。
VirtualBox のインストール
- 公式サイト:https://www.virtualbox.org/
- 「Windows hosts」をクリックして
.exeをダウンロード - ダブルクリックしてインストーラを起動 → 基本は「Next」で進めてOK
こちらのVirtualBox操作ガイド、仮想マシンの作成から管理までの記事にVirtualBox の詳しいインストールの手順を記載しております。
Vagrant のインストール
- 公式サイト:https://developer.hashicorp.com/vagrant/downloads
- Windows版を選んで
.msiファイルをダウンロード - ダブルクリックしてインストール(特に設定変更不要)
インストール確認
インストール後、PowerShell やターミナルを開いて以下を入力:
vagrant -vBash✅ バージョンが表示されれば準備完了です!
仮想マシン構築の流れ(ステップ形式)
ここからは実際に仮想マシン(例:Ubuntu)を起動するまでの手順です。
作業フォルダを作る
仮想マシンごとにフォルダを分けておくと便利です。
mkdir my-vagrant-box
cd my-vagrant-boxBashVagrantfile を初期化
vagrant init bento/ubuntu-20.04Bashbento/ubuntu-20.04は人気のある Ubuntu 20.04 LTS の公式boxですVagrantfileという設定ファイルが自動で生成されます
仮想マシンを起動する
vagrant upBash- 初回実行時は box(OSのテンプレート)をインターネットからダウンロードします(数分かかる)
- ダウンロード完了後、自動で仮想マシンが構築・起動されます
仮想マシンにログイン(SSH接続)
vagrant sshBash- Ubuntuにログインできたら成功!
- Linuxサーバー環境として自由に操作できます
仮想マシンの終了・再起動・削除
| コマンド | 内容 |
|---|---|
vagrant halt | 仮想マシンのシャットダウン |
vagrant reload | 再起動(設定反映) |
vagrant destroy | 仮想マシンを削除(Vagrantfileは残る) |
boxリスト(参考)
Vagrant公式Box検索サイト(Vagrant Cloud)
検索ボックスに ubuntu や centos など入力して探せます。
Boxの提供者(bento や debian, hashicorp など)も一覧で確認できます。
おすすめ
| Box名 | OSバージョン | 特徴 |
|---|---|---|
| bento/ubuntu-20.04 | Ubuntu LTS | 安定性重視 |
| bento/centos-7 | CentOS 7 | 古いけど定番 |
| debian/bookworm64 | Debian | 軽量でシンプル |
次は「Vagrantfileの編集でカスタマイズする方法」「ポートフォワードや共有フォルダの使い方」などに進んでいくと開発用途でもっと便利になります!
OSベース(ディストリビューション別)
| OS系統 | Box名 | 備考 |
|---|---|---|
| Ubuntu系 | bento/ubuntu-20.04, ubuntu/xenial64, ubuntu/focal64, ubuntu/trusty64 | 最も人気・学習用途に最適 |
| Debian系 | debian/jessie64, debian/bullseye64, debian/bookworm64 | 軽量でシンプル、サーバー向き |
| CentOS系 | centos/7, generic/centos7 | Red Hat系の学習やサーバー運用に最適 |
| RedHat系派生 | generic/rockylinux8, generic/almalinux9 | RHELのクローンとして人気上昇中 |
| Arch系 | archlinux/archlinux | 上級者向け。最小構成で自由度高い |
Boxの選び方まとめ
| 条件 | おすすめ |
|---|---|
| 初心者でLinux学習したい | bento/ubuntu-20.04, ubuntu/focal64 |
| WebサーバーやPHP環境が必要 | laravel/homestead, scotch/box |
| とにかく軽くて速い環境 | generic/debian11, alpine系 |
| CentOSで実運用を学びたい | centos/7, generic/centos7 |
| ローカルでKubernetesを試したい | k3s/*, kubernetes/* |
仮想マシンを起動できたら、より便利に使うためにいくつかの設定を行っておくのがおすすめです。
起動後にやっておきたい設定
共有フォルダの設定(ホスト↔ゲスト間のファイル連携)
Vagrantでは、デフォルトでホストの作業ディレクトリがゲスト内の /vagrant にマウントされます。
使い方
- ホスト側にあるファイルは、仮想マシン内の
/vagrantディレクトリからアクセス可能 - 逆に、仮想マシンで作ったファイルもホスト側から見えます
※ デフォルト共有で足りない場合は、Vagrantfile に config.vm.synced_folder を追加してカスタム共有が可能です。
ネットワーク設定(NAT / ブリッジの使い分け)
仮想マシンの通信方式を変更することで、用途に応じたネットワーク構成が可能になります。
| モード | 特徴 |
|---|---|
| NAT(デフォルト) | 仮想マシン→インターネットは可能。外部からアクセス不可。 |
| ブリッジアダプター | 実マシンと同じネットワークに接続。LAN内の他機器からアクセス可能。 |
設定方法(Vagrantfileに追記)
config.vm.network "public_network"Bashポートフォワーディング(Web開発に便利)
NATモードのままでも、ホストPC → ゲストへのアクセスを可能にする設定です。
例:ホストの8080ポート→ゲストの80番ポートへ転送
config.vm.network "forwarded_port", guest: 80, host: 8080Bashこれにより、ブラウザで http://localhost:8080 にアクセスすれば、仮想マシン内のWebサーバー(ポート80)が見えるようになります。
トラブル対策・Q&A
仮想マシンが起動しない
主な原因
- VirtualBoxやVagrantのバージョンが古い
- VT-x(仮想化支援)がBIOSで無効
- メモリ設定が大きすぎる
対処法
- BIOSで「仮想化技術(VT-x / AMD-V)」を有効にする
- メモリ設定を下げる(例:1024〜2048MB)
- vagrant up 時のエラーメッセージを確認する
boxのダウンロードが遅い
原因:
- Vagrant Cloudのサーバーが混雑している
- 回線が不安定
対処法
- Boxを先に手動ダウンロードして
vagrant box addで登録 - またはミラーサイトを利用する(非公式)
vagrant ssh できない
主な原因
- SSH接続先情報が不正
- Windowsの場合、SSHクライアントがうまく動作しないことも
対処法
vagrant sshの代わりに接続情報を表示して手動接続:
vagrant ssh-configBash- 例:
ssh vagrant@127.0.0.1 -p 2222 -i .vagrant/machines/default/virtualbox/private_keyBash- Windowsで失敗する場合は、Git BashやWSLなど別ターミナルを使うと安定します


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