はじめに
AI(人工知能)技術が急速に進化する中で、ChatGPTやClaude、Geminiなど、生成AI(Generative AI)の活用がビジネスや開発現場で注目を集めています。そのような中、Amazon Web Services(AWS)から提供されている強力な生成AIプラットフォームが「Amazon Bedrock(ベッドロック)」です。
本記事では、
- Amazon Bedrockで何ができるのか
- どんな用途に使えるのか
- Bedrockを使い始める手順
を初心者の方にもわかりやすく解説します。
Amazon Bedrockとは?
Amazon Bedrockは、AWSが提供する大規模言語モデル(LLM)をAPIで簡単に利用できるフルマネージドサービスです。
プログラミングの知識がある程度あれば、インフラ構築や機械学習の専門知識なしに、強力な生成AIを自分のアプリやサービスに組み込めます。
主な特徴
- ✅ 複数のAIモデルが使える
一つのサービス上で、以下のような複数のLLMを使い分けできます:- Anthropic Claude(思考が得意なAI)
- Meta Llama 3
- Cohere Command R
- Amazon Titan(Amazon独自モデル)
- Stability AI(画像生成に特化)
- ✅ APIベースで簡単に呼び出し
- ✅ 自前でモデルを訓練する必要なし
- ✅ セキュリティ・ガバナンスはAWS基準
- ✅ エンタープライズ対応(個人情報保護・暗号化など)
Claude(Anthropic)
- Claude 2.1
Claude 2シリーズの安定版。長文処理や要約、分析に対応。 - Claude Instant
軽量かつ低コスト。チャットボットや高速な応答用途に向く。 - Claude 3 Sonnet
Claude 3の中位モデル。バランス型で業務用にも対応。 - Claude 3 Haiku(おすすめ)
Claude 3の軽量版。高速応答向けでチャットや埋め込み処理に適す。 - Claude 3.5 Sonnet
Claude 3.5世代の標準モデル。対話の精度や自然さが向上。 - Claude 3.5 Sonnet v2(おすすめ)
3.5 Sonnetの改良版。応答精度や安定性がさらに強化。 - Claude 3.7 Sonnet
Claudeシリーズの上位世代。情報保持力や論理性に優れる。 - Claude Sonnet 4
Claude最新世代。高度なタスク処理や会話品質を持つハイエンドモデル。
Titan(Amazon)
- Titan Text G1 – Express(おすすめ)
高速で軽量なテキスト生成モデル。文章の下書きや自動応答に適する。 - Titan Embeddings G1 – Text
テキストを意味ベクトルに変換するモデル。検索や類似文抽出に使う。 - Titan Text Embeddings V2(おすすめ)
V1より高精度なテキスト埋め込みモデル。RAGや意味検索用途に最適。
Nova(Amazon)
- Nova Lite
軽量のテキスト生成モデル。応答速度重視のチャットなどに使用。 - Nova Pro(おすすめ)
高精度な文章生成モデル。レポート作成や要約に適す。 - Nova Micro
超小型モデル。超高速応答やエッジ用途に向いている - Nova Canvas(おすすめ)
テキストから画像を生成するモデル。広告やSNS投稿向け。 - Nova Reel
テキストから動画を生成。短尺プロモーションなどに使われる。 - Nova Sonic
マルチモーダル(テキスト+音声など)対応。高速処理を重視した新型。
Cohere
- Embed English
- 英語専用の埋め込みモデル。FAQ・検索強化に利用される。
- Embed Multilingual(おすすめ)
- 日本語を含む多言語対応の埋め込みモデル。グローバル検索向け。
- Rerank 3.5(おすすめ)
- 検索結果を再スコアリングして精度を高めるモデル。RAGに最適。
何ができるのか?用途例
Amazon Bedrockを使えば、以下のようなさまざまな生成AIの活用が可能です。
| 用途 | 内容 |
|---|---|
| 💬 チャットボット | FAQ対応や顧客サポートに |
| ✏️ 文章生成 | 商品説明文、ブログ、自動応答メールなど |
| 🧠 要約・分類 | 長文の要点抽出や文書カテゴリ分類 |
| 🗂️ 検索補助(RAG) | 独自データを使ったインテリジェント検索 |
| 🎨 画像生成 | テキストから画像を作る(例:広告・デザイン素材) |
| 📊 ビジネス支援 | レポートのドラフト作成、会話の議事録化など |
Amazon Bedrockを使い始めるには?
すでにAWSアカウントをお持ちの場合は、すぐにAmazon Bedrockの利用を開始できます。
ステップ➀:Bedrockを有効にする(東京リージョン対応済み)
- AWSマネジメントコンソールにログイン
- 上部の「サービス検索」で Bedrock を入力
- Amazon Bedrockのダッシュボードにアクセス

ステップ②:モデルを選んでAPIを試す
- 「モデルアクセス」ページを開く
左メニューの「Configure and learn」内 →「モデルアクセス」をクリック - 「モデルアクセスを変更」ボタンを押す
アクセスしたいモデルの一覧が表示される - 使用したいモデルにチェックを入れる
例:Claude、Titan、Nova など - 画面右下の「次へ」ボタンを押す
- 利用規約(EULA)に同意し、申請を完了
Amazon Bedrockでモデルを試す方法(Playground)
- Bedrockコンソールにログイン
- 左メニュー、Testから
➡ Chat / Text playground または Image / Video playground を選択 - 使用したいモデルを選ぶ(例:Claude 3.5 Sonnet, Titan, Novaなど)
- 入力欄にテキストを入力し、
実行をクリック - モデルの応答が即時に表示される

🛠 設定パネル(左メニュー)

🔹 Claude 3 Sonnet
使用中のモデル(ここでは Claude 3 Sonnet)を示します。
🔹 システムプロンプト
AIに対する事前の指示・性格設定などを記述できます(例:「あなたは丁寧なカスタマーサポートです」など)。
ランダム性と多様性
生成される文章の「揺らぎ」や「創造性」の調整に使います。
- 温度(Temperature)
値が高いほどランダム性が強く、低いほど決まりきった出力になります(例:0~1)。
→ 1 に近いとユニークで意外性のある回答、0 に近いと正確・安定的。 - トップP(Top-p sampling)
確率の高い語句から上位何%を対象にするか。0.9〜0.999が一般的。 - トップK
選択肢の数を制限(例:K=250 なら、出力候補を上位250語から選ぶ)。
Pと併用で自然さと多様性のバランスを取ります。

📏 長さ
- 最大長(max tokens)
出力する最大トークン数(文字数ではなく「単語のかたまり」)。多いほど長文が出力されます。
→ 最大2000まで指定可能。 - 停止シーケンス
指定した文字列が出現したら生成を終了します(例:Human:など)。
会話の切れ目を明示したいときに便利です。
Guardrails
- 出力の制御ルール(例:差別的・暴力的な内容をブロックする設定)
利用中のガイドラインをここで指定できます(組織で設定されている場合)。
まとめ
今回は、Amazon Bedrockの概要から、できること・使い道、使い始めるための準備、そして実際にモデルを試す方法までを紹介しました。
ClaudeやTitanなどの高性能なAIモデルを、コードを書かずに簡単に試せるBedrockは、これから生成AIを活用したい方にとって、とても心強いサービスです。
AWSアカウントさえあれば、すぐに試せるのも嬉しいポイント。
「生成AIを使ってみたいけど、何から始めたらいいかわからない…」という方は、まずBedrockのPlaygroundで気軽に触れてみるのがおすすめです。
次回は、より実践的な使い方やAPI連携についても取り上げていきますので、ぜひご期待ください!

